第1章:干物女子、競馬場に降り立つ
「今日こそ当てる」
その一言を朝イチで呟くのが、私の土曜日のルーティンだ。 ジャージの上に無理やりコートを羽織り、眉だけ描いて、新宿駅から電車に飛び乗る。
目指すのは府中。東京競馬場。
私の名はルミ。平日は保育士、休日はギャンブル大帝。
それは自称か? そうかもしれない。 でも、年間収支はプラス。しかも3年連続で黒字だ。
男たちは言う。「女は勘で当ててる」
──違う。 私が勝ち続けているのは、“仕組み”を理解してるからだ。
第2章:私の馬券哲学──3つの原則
1.データは嘘をつかない(でも感情には勝てない)
2.オッズは「心理戦」だと理解せよ
3.負けを嫌う奴は、絶対に勝てない
男たちは「推し馬が!」と熱くなる。 私は「過去3走・展開・騎手の癖・馬場傾向」しか見ない。
でも、そのうえで「勘」に落とし込む。
私は“感覚で買う人”と見せかけて、“情報を処理したうえで感覚に委ねてる”。 それが女の勝ち方。
第3章:勝つ女の財布の中身
財布には常に現金8万円。 なぜか? ATMに行ったら負けだから。
勝負の時間は2R〜9R。 1R目は様子見、10R以降は“熱くなってる人間”が市場を壊す。
つまり私は、
- 「市場がまだ理性的な時間」に
- 「ノイズが少ないレース」を選んで
- 「情報と感情の境界線」で張る
これが、勝ち続ける女の戦略だ。
男たちが叫んでる横で、私は静かに的中させる。 そういう快感がある

第4章:ギャンブル場は“戦場”じゃなく“観察教室”
ギャンブルに来る男たちは、大きく3つに分かれる。
- 叫ぶ人(感情型)
- 黙る人(思考型)
- ずっとスマホ(投資型)
私は、そのどれにも属さない。 女は「空気」で勝つ。
レース直前の沈黙。出馬表を見つめる時間。 その数秒で、買い目を“引き算”していく。
私にとって競馬場は、勝ち負けより“人間観察の教室”でもある。
第5章:女だからこそ勝てる構造がある
私が思うに、“女”という属性はギャンブルでは武器になる。
なぜなら、
- 情報収集において、男が油断する
- 感情を隠すことで、相手にプレッシャーを与えられる
- 「女なのに勝ってる」という目立ち方が、逆に“情報”を集めやすくする
さらに──
「女を舐めてくる男」は、情報をタダでくれる」
私は、男が教えてくれた予想の“逆を買って”よく当てる。
これもまた、観察と傾聴のスキルだ。

第6章:負けた日が一番強くなる
もちろん、全勝なんてあり得ない。 でも、私は負けるたびにノートを1ページ使う。
- なぜその馬にした?
- 情報に偏りはなかったか?
- オッズの動きと自分の感情は一致してたか?
ギャンブルは、「自己分析」こそが武器になる唯一のゲーム。
私は、負けたレースの“自分の内面”を書き残す。
それを次の週に読み返す。だから強くなる。
第7章:ギャンブルは「生活」にならない
私は、ギャンブルで生活しようと思ったことは一度もない。 でも、「生活にギャンブルを入れる」のは、すごく有効だと思ってる。
スリルと、静かな興奮と、鋭い観察力。 それが、干物女子だった私の“脳”を活性化させた。
だから、私は今でも言う。
「私の本職は保育士。副業は、ギャンブル大帝」
第8章:ルミの“勝利ルール”を教えよう
1.情報は3人の男から取れ(予想屋、騎手好き、現地組)
2.自分のメンタルが負けてるときは、絶対に買うな
3.勝負レースは“昼過ぎ”、買い目は“外したくない馬を1頭だけ”
4.当たったら、帰れ。増やそうとするな
5.レースが終わってから悩むな。次に活かせ
これが、私のルール。
これを守るだけで、年単位では黒字になる。 実際に、なってる。
第9章:ギャンブル大帝、最後に言う
私は今日も、勝ちたいとは思ってない。 でも、“負けることを避けたい”とも思ってない。
私が望んでるのは、 「感情と確率が拮抗する、数分間の集中」
それが、私のすべてだ。
男たちは、ルミを“ただの女”だと思ってる。 でも、彼らが油断してる間に、私は着実に蓄積してる。
情報、観察、感覚、感情、反省、次の一手。
それができる女は、負けない。
そして私は、今日もこう言うのだ。
「今週も、大帝ルミ、出陣します」
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