前回、ヤバりみ!ではこんな疑問から実験を始めました。
「個人でも本当に仮想通貨を作れるのか?」から始まった第1回はこちら。
→ 自分で仮想通貨は作れる?個人でミームコインを作る方法を本気で調べてみた【#1】
調べてみると、どうやら作ること自体はできそうです。
では次の問題。
結局、いくら必要なのか?
ここを曖昧にしたまま、
「仮想通貨は簡単に作れます」
と言っても面白くありません。
そこで今回は、実際に自分たちで作る前に、
「どこまでやると、いくらかかるのか?」
を調べます。
まず、重大な勘違いがありました
「仮想通貨を作る費用」と検索すると、話が混ざりやすい。
しかし実際には、少なくとも3段階あります。
レベル1 トークンそのものを作る
名前、シンボル、発行量などを決めて、ブロックチェーン上にトークンを作る。
レベル2 実際に保有・送受信できる状態にする
自分のウォレットなどで保有し、別のアドレスへ送れる状態まで持っていく。
レベル3 市場で取引できるようにする
第三者がDEXなどを使って交換・売買できる状態にする。
この3つは同じではありません。
特にレベル3まで行くと、「トークンを発行する費用」だけを見ても意味がない。
流動性など別の問題が出てくるからです。
今回の実験では、まずここを分けます。

候補1 Solana
前回から最有力候補として見ていたのがSolanaです。
Solanaでは、トランザクションを実行するたびにSOLで手数料を支払います。
公式ドキュメントによると、現在の基本手数料は、
1署名あたり5,000 lamports
です。
さらに必要に応じて優先手数料が加わります。 Solana
1 SOLは10億lamportsなので、
5,000 lamports = 0.000005 SOL
です。
2026年9月20日前後のSOL価格は、およそ1SOL=17,000円台で推移しています。 みんかぶ
単純換算すると、
基本手数料そのものは1回1円にも満たない水準
になります。
もちろん、これだけでトークン作成に必要な全費用が決まるわけではありません。
Solanaでは「アカウントを作るお金」も考える
ここが少し面白いところです。
Solanaでトークン用アカウントを作る場合、単純なトランザクション手数料だけではなく、アカウントを作成するためのlamportsも必要になります。
Solana公式ドキュメントでも、新しいトークンアカウントを作る際には、必要なサイズに応じてrent免除条件を満たすlamportsを用意してアカウントを作成する仕組みが説明されています。 Solana
Token-2022ではさらに、
- メタデータ
- 転送手数料
- 一時停止
- デフォルト状態
などの拡張機能も設定できます。
必要なアカウントサイズによって必要額も変わります。 Solana
つまり、
「Solanaなら5,000 lamportsだけでコイン完成!」
という話ではありません。
それは単なる基本トランザクション手数料の話です。
候補2 Ethereum
次はEthereum。
Ethereumでも当然、無料ではありません。
Ethereumでは、ブロックチェーン上で処理を実行するとGasを消費します。
基本的な考え方は、
使用したGas × Gas単価
です。
そしてGas単価は固定ではありません。
ネットワークの混雑状況などによって変化します。 ethereum.org
例えば通常のETH送金だけなら21,000 gasですが、スマートコントラクトを使った処理はそれより複雑になり、必要なGasも増えます。 ethereum.org
ERC-20型のトークンを新しく作る場合にはスマートコントラクトをデプロイする必要があるため、
単なるETH送金より処理量が大きくなる
と考える必要があります。
しかもGas価格はその瞬間のネットワーク状況で変わります。
したがって、
「Ethereumでトークンを作ると○○円」
と固定額を書くのは正確ではありません。
実際に発行する瞬間に見積もる必要があります。
2026年9月21日のETH価格はおよそ41万円台です。 Investing.com
Gas価格次第では、同じプログラムでも円換算費用が変わります。
候補3 Base
そこで出てくるのがBaseです。
BaseはEthereum系のLayer 2なので、SolidityなどEthereum系の仕組みを利用できます。
Base公式ドキュメントでも、スマートコントラクトをBaseへデプロイするにはウォレットへETHを用意し、Gasを支払う必要があると説明されています。 Base documentation
Base MainnetのChain IDは8453。
テスト用のBase Sepoliaは84532です。 Base documentation
つまり、
Ethereum系トークンを作る実験をしながら、Ethereum Mainnetそのものとは別のネットワークを使う
という選択肢があります。
BaseでもGas価格は固定ではなく、RPCから現在のGas価格を取得する仕組みがあります。 Base documentation
では、どれで実験する?
ここまで調べた段階で、ヤバりみ!実験室では候補をこう整理しました。
| 候補 | 特徴 | 今回の実験との相性 |
|---|---|---|
| Solana | 手数料が非常に小さい。独自のトークンシステム | ◎ |
| Base | Ethereum系。比較的実験しやすい | ◎ |
| Ethereum Mainnet | 本家Ethereum。Gas変動の影響を受ける | △ |
そして今回、一番重要なのは、
「有名なチェーンを使うこと」ではありません。
本当に知りたいのは、
普通の個人が、自分のお金を使って、どこまで仮想通貨を作れるのか?
です。
そのため、最初から高い費用をかける意味はありません。
作るのは簡単。でも、生き残るのは別の話
ここまで調べて、一つ気になる数字が出てきました。
今の暗号資産市場では、
「トークンを作れた」こと自体には、ほとんど希少価値がありません。
たとえばSolana上のミームコイン作成サービスPump.fun。
2026年に行われた研究では、83万件を超えるトークン発行を追跡しています。
その期間に、一定条件を満たして次の流動性市場へ進んだ割合は、
わずか0.198%。
約500個に1個です。
ただし、この数字は時期によってかなり変動します。
別の2026年夏の約82万件の調査では、同様の割合が**2.62%**まで上昇していました。
つまり、
「作る」ことと「市場で存在感を持つ」ことの間には、とてつもなく大きな壁がある。
さらに興味深い数字があります。
CoinGeckoがPump.funで作られた約1,867万トークンを調査したところ、
68.67%は、作られたその日が最後の取引日でした。
90日を超えて取引が続いたものは、
わずか4.55%。
大量に作られ、大量に消えているわけです。

では、ヤバりみ!はどこまでやる?
ここで今回の実験の意味が少し変わってきました。
単に、
「5,000円以内でコインを作れました!」
だけでは、正直それほど面白くありません。
作るだけなら、世界ではすでに膨大な数が作られています。
そこでヤバりみ!では、まず低予算で実際にトークンを発行できるところまで検証します。
そして、その先にある、
「作ったコインを市場で取引できる状態にするには何が必要なのか?」
も別段階として調べます。
作るだけなら簡単。そのコインを「売買できる状態」にするには?
ここからが面白いところです。
仮想通貨は、
作った瞬間に、誰かが市場で買ってくれるわけではありません。
通常のトークン発行と、「市場で売買できる状態にすること」は別です。
たとえばSolanaなら、まずトークンの本体となるmintを作り、供給量や小数点、発行権限などを設定できます。
名前、シンボル、画像などのメタデータも追加できます。
ここまでは、
「ヤバりみ!コインがブロックチェーン上に存在する」
という段階です。
問題はその先。
コインには「市場」が必要になる
第三者が自由に買ったり売ったりするには、買い手と売り手を結びつける仕組みが必要です。
代表的なのがDEX(分散型取引所)です。
DEXでは、たとえば
YABALIMI / SOL
YABALIMI / USDC
のような取引ペアを作り、流動性を用意する方法があります。
つまり、
トークンを作ること
と、
そのトークンに市場を作ること
は別工程なのです。
Ethereum系でも基本的な考え方は同じで、UniswapのようなAMMではERC-20同士のペアと流動性によって取引市場を構成できます。
ところが「最初から売買できる」仕組みもある
ここでミームコインの世界が面白くなります。
Pump.funでは、新しく作られたコインは最初からbonding curve上で売買できます。
まだ普通の市場参加者による流動性プールがなくても、数式によって価格が決まり、
買われれば価格が上がる。
売られれば価格が下がる。
という市場が最初から用意されています。
さらに一定条件まで成長すると、bonding curveが終了し、流動性がPumpSwapへ自動的に移行します。
つまり、
発行 → 最初の売買 → DEX市場
までを一つの仕組みにしているわけです。
そして現在、Pump.fun公式ではコイン作成料金そのものは0 SOL / 0 USDCとされています。
「仮想通貨を作るだけなら、ものすごく安くできる」という話が、ここまで来ると現実味を帯びてきます。
でも、本当の難関はここから
コインを作る。
売買可能にする。
ここまでは技術で解決できます。
しかし、
誰がそのコインを買うのか?
これは別問題です。
世界では大量のトークンが作られています。
その多くはほとんど取引されないまま消えていきます。
つまりミームコインで難しいのは、
「発行すること」ではなく、「人が欲しがる理由を作ること」
なのです。
ヤバりみ!実験でも、ここを分けて検証します。
第1段階:実際にトークンを作る
第2段階:第三者が売買できる状態を調べる
そして、その先に、
第3段階:無名のコインに、本当に第三者が興味を持つのか?
があります。
ここまで行けば、「仮想通貨を作ってみた」ではなく、
無名の個人がゼロからコインを作ったら、どこまで市場へ出せるのか?
という実験になります。
まず発行実験の上限は5,000円。
実際に必要だった金額だけを記録します。
次回、SolanaとBaseのどちらを使うか決め、実際の発行準備へ進みます。
今回の発行実験の予算上限は、ひとまず5,000円。
実際に使った金額は、そのまま公開します。
次回はSolanaとBaseを比較し、
実際にどちらで作るのかを決めます。

次回、本当に作る準備に入ります
次回は、
「SolanaとBase、実際に作るならどっちにする?」
を決めます。
単に手数料だけでは決めません。
- 作成方法
- ウォレット
- 必要な資金
- トークン名
- シンボル
- 発行量
- 管理権限
- メタデータ
- 後から変更できる項目
- 本当に第三者へ送れるのか
まで確認します。
そのうえで、
実際に発行するチェーンを1つに絞ります。
まだ仮想通貨は存在していません。
でも、前回より一歩近づきました。
予算上限、5,000円。
果たして本当に、個人が5,000円以内で自分の仮想通貨を作れるのか。
次回、さらに詰めます。
※この記事は技術実験・情報提供を目的としています。暗号資産への投資や購入を推奨するものではありません。暗号資産・ネットワーク手数料の価格は変動します。また、トークンを発行・販売・配布する場合には、内容や方法によって法令・税務・規制上の検討が必要になる場合があります。
参考にした公式資料
Solana「Fees」
Solana「トークンを起動する」
Ethereum「ガスと手数料」
Base Documentation


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