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2026年10月20日|ルミ競馬研究所
2026年10月18日、京都競馬場。
モンローウォークは、また勝った。
5戦5勝。
しかも今回は、3歳牝馬三冠の最終戦、秋華賞(GⅠ)。
初めての芝2000m、京都の内回り、17頭立てのGⅠ。前走のローズステークスから、距離もコースも相手関係も変わった。
それでも結果は変わらなかった。
1着。
勝ち時計は1分56秒1。秋華賞のレースレコードだった。
ただし、前走のような3馬身差の圧勝ではない。2着ギャラボーグとの差は、わずかクビ。
「ミラン、5枚目が届いたわよ」
ナジカが机の上に置いたのは、秋華賞のレース記録だった。
「また1着ですわね。これで5戦5勝……もう弱点なんてないんじゃありません?」
「弱点がないかどうかは、まだ分からないわ。でも、今回の勝ち方は面白い。前の4戦とは違うことが見えたのよ」
ナジカは、4枚目のローズステークスと5枚目の秋華賞を並べた。
前回の記事で残した質問は一つ。
阪神芝1800mで見せた先行力と末脚は、京都芝2000mでも通用するのか。
その答えを、今回の秋華賞から探していく。
1|5戦目の記録――秋華賞2026

まず、今回のレースを数字で確認する。
| 項目 | 記録 |
|---|---|
| 開催日 | 2026年10月18日 |
| レース | 第31回秋華賞(GⅠ) |
| 競馬場 | 京都 |
| 距離 | 芝2000m・右回り |
| 馬場 | 良 |
| 馬番 | 8番(4枠) |
| 騎手 | 戸崎圭太 |
| 着順 | 1着/17頭立て |
| 人気 | 1番人気 |
| 勝ち時計 | 1分56秒1(レースレコード) |
| 通過順位 | 5-5-5-4 |
| 上がり3F | 34秒5 |
| 馬体重 | 452kg(前走比+2kg) |
| 2着との差 | クビ |
2着はギャラボーグ。3着はドリームコア。
ギャラボーグは道中3番手から、4コーナーでは2番手へ。最後まで粘り、モンローウォークにクビ差まで迫った。
ドリームコアは後方から上がり34秒0の末脚を使い、3着に入った。
「ナジカさん、今回は2着との差が小さいですわね」
「そうね。でも、着差が小さいから前走より弱い、とは言えないわ」
ナジカは、ギャラボーグの通過順位に赤い線を引いた。
「今回の相手は、先にいい位置を取っていたの。そこから差し切ったという事実が大事なのよ」

2|前走とは違う。今回は5番手から勝った
ローズステークスのモンローウォークは、道中2番手から競馬を進めた。
阪神芝1800mの外回りで先行し、直線で抜け出して3馬身差の勝利。
あのレースでは、前で運びながら速い脚を使える能力が際立っていた。
しかし、秋華賞では少し違った。
通過順位は5-5-5-4。
前走より後ろの位置から進み、4コーナーで4番手まで上がり、直線で前の馬を捉えた。
これまでの函館や阪神で見せていた「2〜3番手で運ぶ競馬」だけではなかった。
先頭集団を見ながら脚を温存し、勝負どころから前を追う競馬でも勝った。
「前に行かなくても勝てた、ということですの?」
「正確には、前走ほど前に行かなくても勝てた、ね。5番手なら決して後方ではないわ」
ナジカは続けた。
「極端な追い込みを覚えたわけじゃない。でも、位置取りに少し幅があることは確認できた。これは今後のレースを考えるうえで重要よ」
もちろん、これだけでどんな展開にも対応できるとは言えない。
今回は中団より前で競馬を進められた。後方に置かれた場合や、直線で進路がなくなった場合の対応力までは分からない。
それでも、2番手以外の位置からGⅠを勝った事実は、5枚目のファイルに残す価値がある。

3|京都2000mへの距離延長。何が確認できたのか
第1回の記事では、モンローウォークが1600mから1800mへ距離を延ばしながら勝ち続けてきたことを確認した。
今回は、さらに200m延びた芝2000m。
しかもGⅠだった。
結果は1着。勝ち時計は1分56秒1。
少なくとも今回の京都芝2000mでは、距離延長によって能力を発揮できなくなることはなかった。
道中は5番手付近で折り合い、4コーナーから前へ進出。上がり34秒5で勝利している。
「これなら、もっと長い距離でも走れそうですわね」
ミランの言葉に、ナジカは少し首を傾けた。
「可能性はある。でも、2000mを勝ったことと、2400mや2500mでも同じように勝てることは別よ」
距離適性は、単純に200mずつ延長しても勝てるかどうかで決まるものではない。
道中のペース、必要な持久力、コース形態、相手の脚質が変われば、求められる能力も変化する。
今回確認できたのは、京都芝2000mのGⅠを勝ち切るだけの能力と適性を示したこと。
それ以上の距離については、まだ新しい検証が必要だ。
4|5戦の記録を並べると、強さの輪郭が見えてくる
モンローウォークの5戦を、一つの表にまとめてみる。
| 日付 | レース | 距離・馬場 | 位置取り | 上がり3F | 結果 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2025/8/16 | 新潟・新馬 | 芝1600m・良 | — | 33.9 | 1着 |
| 2026/6/14 | 八雲特別 | 芝1800m・良 | 3-3-3-3 | 34.6 | 1着 |
| 2026/7/19 | かもめ島特別 | 芝1800m・重 | 2-2-2-2 | 35.4 | 1着 |
| 2026/9/13 | ローズS・GⅡ | 芝1800m | 2-2 | 34.1 | 1着 |
| 2026/10/18 | 秋華賞・GⅠ | 芝2000m・良 | 5-5-5-4 | 34.5 | 1着 |
ここまで、5戦5勝。
しかし、注目したいのは勝利数だけではない。
新馬戦では1600m。函館では1800m。ローズステークスで初重賞を勝ち、秋華賞では2000mのGⅠを制した。
良馬場でも重馬場でも勝利し、道中2番手からでも5番手からでも結果を残している。
馬体重はデビュー時の430kgから、今回452kgになった。
ただし、馬体重の増加がそのまま能力向上を意味するわけではない。ここで確認できるのは、体重や出走条件が変化しても勝利を積み重ねてきたという事実だ。
「5回とも同じ勝ち方ではないんですのね」
「そこよ、ミラン。私はその違いを見たいの」
ナジカが表の右端に、赤い丸を五つ付けた。
「結果は全部1着。でも、そこへ至る道筋は少しずつ違うのよ」
5|レコード勝ちをどう評価するか
今回の勝ち時計、1分56秒1。
秋華賞のレースレコードを更新した。
これはもちろん、優れた結果だ。
ただし、レコードという数字を読むときには注意も必要になる。
走破時計は、馬自身の能力だけで決まるわけではない。馬場状態、当日のコースコンディション、レース全体のペースなどにも左右される。
異なる年の時計を単純に並べて、速い方が必ず強いと判断することはできない。
それでも今回のモンローウォークには、時計以外の評価材料がある。
5番手付近から競馬を進め、直線で前を行くギャラボーグを差し切った。
ギャラボーグは4コーナーで2番手にいた。簡単に止まったわけではなく、最後まで粘っている。
その相手をクビ差で捉えた。
「レコードだから強い、だけじゃないのね」
「そう。私は、どんな位置から、誰を相手に、どう勝ったかを一緒に見るわ」
秋華賞のレコードは、この馬の能力を示す重要な実績だ。
ただし、それだけで歴代の名牝との優劣が決まるわけではない。
6|最大のライバルは、7番人気ギャラボーグだった
今回、もう一頭忘れてはいけない馬がいる。
1枠1番、横山和生騎手のギャラボーグだ。
7番人気ながら、道中3番手、4コーナー2番手という積極的な競馬を見せた。
直線では先頭争いを演じ、最後はモンローウォークにクビ差で敗れた。
勝ち馬の強さを分析するとき、2着馬がどのような競馬をしたかは重要な材料になる。
ギャラボーグは上がり35秒2。
モンローウォークは34秒5。
ただし、この0秒7の差だけで能力差を説明することはできない。両馬は道中の位置取りが違い、レース中に使った脚も同じではないからだ。
ナジカは2頭の通過順位を並べた。
- モンローウォーク:5-5-5-4
- ギャラボーグ:3-2-2-2
「ギャラボーグは、先に勝負できる位置を取っていたのね」
「ええ。だからこそ、最後に差し切ったモンローウォークの勝ち方を評価できる。でも、クビ差だったことも忘れてはいけないわ」
無敗の勝ち馬にも、強く迫った相手がいた。
今回の秋華賞は、モンローウォークの強さと同時に、ギャラボーグの能力も印象づけたレースだった。
7|「令和のファインモーション」は、もう証明されたのか
第1回では、モンローウォークが一部で「令和のファインモーション」と呼ばれていることに触れた。
そして、私はその比較をいったん横に置いた。
過去の名牝に似ているから強いのではなく、この馬自身の走りを見たかったからだ。
秋華賞を無敗で制した今、その呼び名はさらに注目されるかもしれない。
実際、ファインモーションも2002年に無敗で秋華賞を制している。
だが、似た経歴があることと、同じ能力を持つことは別の話だ。
時代も、相手も、馬場も、レース条件も違う。
「でも、ここまで来たら比較したくなりますわ」
ミランが笑った。
「気持ちは分かるわ。でも、名前を借りなくても、もう十分に面白い馬じゃない?」
ナジカは秋華賞の結果を指さした。
「5戦5勝。GⅡとGⅠを連勝。初めての2000mでレコード勝ち。これだけで立派な研究対象よ」
モンローウォークは、誰かの再来である必要はない。
これから先のレースで、どんな新しい強さを見せるのか。
それを追い続ければいい。
8|無敗5連勝でも、まだ分からないこと
ここまでの5戦で、いくつもの疑問に答えが出た。
1600mだけの馬ではなかった。
1800mでも勝った。
重馬場でも勝った。
GⅡでも勝った。
そして、京都2000mのGⅠでも勝った。
しかし、未確認の条件も残っている。
第一に、さらに長い距離への対応。
2000mを勝ったからといって、2400m以上でも同じ能力を発揮できるとは限らない。
第二に、後方からの競馬。
今回は5番手から勝ったが、極端に後ろへ置かれた場合の対応力はまだ十分に確認できていない。
第三に、古馬との対戦。
今回の秋華賞は3歳牝馬同士のGⅠ。年長馬を含む相手関係では、別の能力が要求される可能性がある。
第四に、厳しい展開への対応。
速い流れで前を追い続ける競馬や、直線で進路を探す必要がある競馬など、まだ経験していない状況は多い。
第五に、今回のレコード決着後の状態。
次走へ向けてどのように調整されるのかは、陣営の正式な発表を待つ必要がある。
現時点で次走のレース名や日程を断定することはできない。
「5戦5勝なのに、まだ調べることがあるんですのね」
「勝ったから研究が終わるわけじゃないのよ。むしろ、強い馬ほど新しい条件で何が起きるか知りたくなるわ」

9|ナジカが5戦目で更新した評価
今回の秋華賞を受けて、モンローウォークの評価を更新する。
| 評価項目 | 秋華賞後の判断 |
|---|---|
| 先行力 | GⅠでも好位を確保できた |
| 位置取りの柔軟性 | 2番手だけでなく5番手からも勝利 |
| 芝2000m適性 | 京都2000mのGⅠ勝利で実績を確認 |
| 末脚 | 好位から上がり34秒5で差し切り |
| 良馬場への対応 | 高速決着でも勝利 |
| 重馬場への対応 | 過去の函館で勝利実績あり |
| 重賞実績 | GⅡ・GⅠを連勝 |
| 2400m以上 | 未確認 |
| 古馬との対戦 | 未確認 |
| 極端な後方からの競馬 | 未確認 |
今回、特に評価を上げたのは位置取りの柔軟性と2000mへの対応だ。
ローズステークスでは2番手から抜け出した。
秋華賞では5番手から前を追い、直線で差し切った。
この違いは小さくない。
ただし、現時点で万能型と決めつけるつもりはない。
勝ち続けているという事実を評価しながら、まだ試されていない条件を明確に残しておく。
それが、次のレースを分析するときの基準になる。
10|ミラン、6枚目はまだ白紙よ
ナジカが5枚の資料を机に並べた。
新潟、函館、函館、阪神、京都。
1600m、1800m、1800m、1800m、2000m。
5枚とも、着順は1着。
「次はどこを走るのでしょうね」
ミランが尋ねる。
「それはまだ分からないわ。だから6枚目は白紙のままにしておくの」
「でも、次も勝ったら6戦6勝ですわね!」
「そうね。でも、もし負けても、このファイルは続けるわよ」
ナジカは赤ペンのキャップを閉めた。
「私は無敗記録だけを追っているわけじゃないもの。どんな条件で勝って、どんな条件で苦しむのか。それを知りたいの」
モンローウォークは秋華賞を制し、5戦5勝のGⅠ馬になった。
しかし、ここまで一度も負けていないからこそ、まだ見えていないものもある。
次の一戦で、また新しい答えが出るだろう。
ナジカの競走馬ファイル Vol.02。
5枚目の記録は、秋華賞1着。
6枚目は、まだ白紙だ。

ナジカからひとこと
「5戦5勝。無敗でGⅠを勝つのは簡単なことじゃないわ。でも、今回の収穫は勝利数だけじゃない。京都2000mでも好位から脚を使い、先に動いた相手を差し切った。私はそこを評価しているの。次は、まだ経験していない条件でどんな走りを見せるか。それが楽しみね」
読者の皆さまへ
モンローウォークの秋華賞、皆さんはどうご覧になりましたか?
前走のローズステークスと今回の秋華賞では、どちらの勝ち方が印象に残りましたか。
また、次に見てみたい距離や対戦相手があれば、ぜひコメントでお聞かせください。
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※本記事は2026年10月20日時点で確認できる競走成績に基づく分析記事です。将来の出走予定、勝敗、競走能力を保証するものではありません。本文中の会話はキャラクターによる演出です。
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